長年使い込んで家の鍵の調子が悪くなったり、防犯的に心配ごとができたりして、鍵を交換しようかと考えたことはありませんか。そんなとき、専門業者に依頼すると、結構なお金がかかってしまうことが懸念されます。できたら自分の力で何とかしたいと思う人も多いのではないでしょうか。ここでは素人が鍵交換を自力で対応する方法などについて紹介します。
目次
一般の人でも鍵交換って自分でできるの?
長年同じ家に住んでいて玄関の鍵が古くなってきたとか、1度鍵をなくしてしまって鍵の防犯性を高めたいなどの理由で、鍵の交換を思いたったとき、普通の人でも鍵の交換はできるのかと、思ったことはありませんか。結論から言うと、鍵の交換は誰にでもできてしまいます。鍵の業者に交換を頼むと部品代の他に技術料や出張料を取られて結構費用がかさみますが、自分でおこなうと部品代だけで済みます。鍵の種類にもよりますが、シリンダー部分だけの交換であれば素人でも20分くらいでできてしまう場合もあるのです。
玄関錠の種類!
自力で鍵を交換するにあたって、まず知っておきたいことは自分の家の鍵がどの種類の鍵かということです。家の鍵には大きく次の5つの種類があります。
1. レバー式玄関錠
2. アンティーク玄関錠
3. プッシュブル玄関錠
4. インテグラル錠
5. 引き違い戸錠
レバー式玄関錠は横向きについたレバーの上にシリンダーが付いているタイプとなります。マンションやアパートなどの集合住宅によく使われているタイプの玄関錠です。アンティーク玄関錠は別名、装飾錠とも言われ取手とレバーがアンティーク的に装飾され、その上にシリンダーが付いています。戸建ての玄関に多く使われている玄関錠です。プッシュブル玄関錠は扉を開け閉めする際にハンドルを押したり引いたりすることで開閉し、そのハンドルの上下にシリンダーが付いています。比較的新しいタイプの玄関錠です。インテグラル錠はドアノブの中心に鍵穴があるタイプの鍵になります。比較的古いアパートに多い鍵です。引き違い戸錠は襖のように扉を横にスライドさせて開けるタイプの玄関に付いている鍵となります。
自力で鍵を交換しよう!
ここからは自力で玄関錠を交換する方法を紹介していきます。まずは、自力で鍵を交換する際に使う道具ですが、プラスドライバーとマイナスドライバー、ペンチがあれば大体の玄関錠は交換できます。また、自力で鍵を交換する場合1番気を付けなければならないことは交換する新しい鍵の型番が正確であるかどうかです。玄関の鍵は種類も多いですが、その型番も多くなっています。型番をよく見ず見た目だけで判断し買ってきてしまうと、ほとんど場合間違えます。鍵は繊細なもので見た目が同じでも内部の構造や、さまざまな部品のサイズが微妙に違うのです。正確に適合するものを買わなければ無駄になってしまいます。
少しくらい大丈夫だと無理やり取り付けてしまったりすると、最悪ドア自体が壊れ高額な費用がかかってしまう可能性がありますので注意をしましょう。また、自力で鍵を交換する際には慎重に作業をすることが大切です。無理な取り外しや取り付はしないようにし、ネジやピンなど細かい部品がありますので、1つもなくさないように細心の注意を払いましょう。さらに、錠前すべて交換する際に違うメーカーのものを取り付けたいと思ったら、ドアの規格も把握する必要があります。ドアの厚みやドアの端から錠前の中心までの距離、そして、ドアの側面にあるデッドボルトやラッチボルトが出ている板(フロント)の長さなどを図り、寸分も狂いのない同じものを購入しなければなりません。
レバー式玄関錠の交換方法!
レバー式玄関錠を自分で交換する方法は2つあります。シリンダーのみを交換する方法と、錠前すべてを交換する方法です。どちらにしても、まずは鍵のメーカーと型番をチェックすることから始めます。そして、それをもとにホームセンターやネット通販で購入しましょう。
シリンダーのみの交換
レバー式玄関錠のシリンダーのみの交換は、次の通りです。
1. ドアの側面にあるメーカーや型番が刻まれている金属の板(フロント)にあるネジを外し、板を外す。
2. マイナスドライバーやベンチを使ってシリンダーを固定しているピンを、シリンダーをしっかりと抑えながら抜く。
3. シリンダーを外す。
4. 穴をよく確認して、新しいシリンダーを取り付ける。この時押し込みながら取り付けると良い。
5. 2で抜いたピンを差し込んでシリンダーをしっかりととめる。
6. 側面の金属の板(フロント)を取り付ける。
7. 鍵をシリンダーに差し込んで回しデッドボルト(かんぬき)のスムーズな出入りを確認して問題がなければ終了。
レバー式玄関錠一式の交換
レバー式玄関錠を一式交換する方法は次の通りです。
1. 室内側のつまみ(サムターン)のネジを外してつまみを外す。
2. ドアの側面にある金属の板(フロント)のネジを外し、板を外す。
3. シリンダーをとめているピンを外してシリンダーを外す。
4. 室内外のレバーハンドルのネジを外し、ハンドルを外す。
5. ドアの側面にあるネジを全て外し、錠前ケースを取り出す。
6. 新しい錠前ケースを入れる。
7. ラッチボルトの方向を確認して、取り外したケースのラッチボルトと同じ向きにする。
8. ネジを全て取り付け、錠前ケースを固定する。
9. 室内外のレバーハンドルを取り付ける。
10. シリンダーを取り付け、ドア側面の金属の板(フロント)をネジでとめる。
11. 室内用のつまみ(サムターン)をネジでとめる。
12. 動作確認をして問題なければ終了。
アンティーク玄関錠の交換方法
アンティーク玄関錠の交換方法はシリンダーのみの交換とアンティーク錠一式の交換方法があります。まずは、しっかりと型番をチェックして同じ型番のものをホームセンターやネット通販で購入しましょう。
シリンダーのみの交換
1. 室内のアンティーク錠のネジを全て外し、室内の錠前すべてを外す。
2. 外側の錠前も外し、シリンダーをとめているネジを全て外し、シリンダーを外す。
3. 新しいシリンダーと取り替えネジでしっかりととめる。
4. 外側の錠前を取り付け、室内の錠前をはめネジをつける。
5. 動作確認をして問題なければ終了。
アンティーク錠一式の交換
ここでは、室内がドアノブタイプではなく室内もアンティーク錠の場合の交換方法を紹介します。
1. 室内のアンティーク錠についているネジを全て外し、室内のアンティーク錠を外す。
2. 外側のアンティーク錠を外し、ドアの側面にある金属の板(フロント)のネジを外し、鍵ケース全体を外す。
3. 新しい鍵ケースを入れてネジでしっかりととめる。
4. 新しいアンティーク錠を取り付けますが、ドアが左勝手の場合は錠の裏面に記載されている通りに組み替える。
5. 外側のアンティーク錠を入れ込み、室内の錠を取り付け、ネジをしっかりととめる。
6. 動作確認をして問題なければ終了。
プッシュブル錠の交換方法
プッシュブル錠の交換方法は、上下に付いているシリンダーのみを交換する方法とプッシュブル錠一式交換する方法があります。どちらにしてもメーカーと型番をしっかりと確認して購入しましょう。
上下のシリンダーのみの交換
ここではハンドルにシリンダーがついているタイプの交換方法を紹介します。
1. 室内側の上下にある鍵のつまみ(サムターン)の横にあるネジを外し、室内側のドアハンドルを外す。
2. 外側のハンドルを外し、裏返す。
3. ハンドルを床に置き金属板を外すためのネジを見つけ、ネジを外す。
4. ゆっくりと金属板を外す。ドアノブ本体の中は複雑となっているため、動かさないように慎重におこなう。
5. シリンダーを外し、新しいシリンダーを取り付ける。
6. 身長に金属板をはめて、ネジでとめる。
7. 外側のハンドルを取り付け、室内のハンドルも取り付けてつまみ(サムターン)横のネジをしっかりととめる。
8. 動作確認をして問題なければ終了。
プッシュブル錠一式の交換
1. 室内側の上下にある鍵のつまみ(サムターン)の横にあるネジを外し、室内側のドアハンドルを外す。
2. 室内側のドアハンドルを外すと外側のハンドルも外れるので、外す。
3. 新しいドアハンドルを外側のハンドルから取り付ける。
4. 室内側のドアハンドルを取り付け、鍵のつまみ(サムターン)の横のネジをしっかりととめる。
5. 動作確認をして問題なければ終了。
インテグラル錠の交換方法
インテグラル錠はドアノブの中心に鍵穴があるタイプで、交換する時にはドアに開いている穴の大きさなどが違う場合があるため、気をつけなければなりません。同じ種類で同じメーカーのものはもちろん、ドアの厚みやドアの側面にある金属板(フロント)の幅、フロントのネジの位置やドアノブの中心からフロント板までの距離を図り、全てが同じものを購入する必要があります。
1. 室内側のドアノブの丸座を左に回してドアノブを外す。
2. ドアノブを外して出てきた丸座裏金のネジを外して、裏金自体を外す。
3. 丸座裏金を外すと外側のドアノブを引き抜くことができるようになるので、外側のドアノブを引き抜く。
4. ドアの側面にある金属板(フロント)のネジを外し、鍵ケースを取り外す。
5. 新しいケースを差し込んでネジでとめる。このときラッチボルトのむきに注意して正しく取り付ける。
6. 外側のドアノブを差し込む。
7. 室内側から丸座裏金をネジでとめ室内側のドアノブをつまみ(サムターン)が横になっている状態で差し込み、丸座を右に回して締めます。
8. 動作確認をして問題なければ終了。
引き違い戸錠の交換方法
引き違い戸錠の交換は鍵と取手が一緒になっているので、シリンダーのみの交換ができません。交換する際は切込み穴の寸法を確認して取り付け可能の鍵を購入する必要があります。また、引き違い戸錠を交換する場合は扉ごと交換しなくてはならない場合もあるので注意しましょう。
1. 室内の引き違い扉を開けて、扉を交差させ上下にあるネジを外し室内の鍵を外す。
2. 室内側からネジをゆるめて外側の鍵を外す。
3. 新しい鍵の外側の鍵を取り付けるが、室内側から外扉用の鍵ケースを入れてネジで仮止めする。
4. 室内用の鍵ケースを室内側から入れてネジで仮止めする。
5. セットピンを室内側の鍵ケースの下にある穴に入れて、外側の鍵ケースまでスムーズに入るか確認する。入らなければ鍵ケースが同じ高さではなく鍵が閉まらないので調整する。
6. セットピンがスムーズに入ったら、外側の鍵ケースと室内側の鍵ケースの仮止めを本締めして固定する。
7. 動作確認をして問題なければ終了。
引き違い戸錠の交換は扉の厚みなどによって、施錠がうまくいかない場合があります。その場合は扉厚調整用のスペーサーを入れて調整します。
自分では難しいと思ったら業者に頼もう!
ここまで5種類の玄関錠の交換方法を紹介してきました。しかし、例えばレバー式玄関錠一つとってもメーカーや細かい形状などによって、それぞれ微妙にネジ位置などが違うため工程も変わって来ます。また、玄関錠には電子錠というものがあり、その場合は電気工事が必要になることがあるのです。自力での鍵交換が難しかったり電子錠であったりする場合は鍵の専門業者への依頼と相談をおすすめします。
鍵の業者に頼むメリットは、業者にお願いすれば自分で鍵を探す必要もなく自分の要望を伝えるだけで理想の鍵に交換してくれるところです。特にシリンダーだけでなく錠前の一式交換やインテグラル錠、引き違い戸錠の交換は正確な計測などが求められるので素人には難しく業者に頼んでしまったほうが良いかもしれません。
鍵業者の選びかた!
家の鍵を交換しようと思い、自分でできない場合は業者への依頼が必要です。その場合は業者の中には悪質な業者も存在しますので気を付けなければなりません。良い鍵の業者を選ぶ上でのポイントは3つあります。まず、明確な料金を提示してくれることです。鍵の業者に依頼した時に、かかる費用は部品代と作業代、出張費です。これは作業前に明確にできるはずです。これを曖昧にしたり、うやむやのまま作業に移ろうとしたりする業者には依頼するのをやめましょう。作業が終わった後に高額な料金を請求してくる可能性があります。
2つ目に、見積もりに納得できない場合はキャンセル料がかからない業者を選びましょう。始めは電話での問い合わせになり、電話によって全ての情報がわかるわけではありません。実際に現場での確認の上見積もりが確定するのです。その際に思ったより費用がかかってしまい、キャンセルしたいと思うこともあるでしょう。キャンセル料がかからない業者は良心的だと言えます。キャンセル料がかからなくても現場に行く出張料がかかるという業者もありますので、始めの電話の際によく確認しましょう。
最後に交換した後のアフターケアーがしっかりとした鍵の業者を選ぶことが大切です。鍵というのは色々な部品が入っていて、数日後に鍵が回しづらくなったり、抜き差しがしにくくなったりする場合もあります。そんなとき無料でメンテナンスに来てくれる業者だと安心ですよね。
まとめ
鍵の交換は専門知識がなくてもできます。しかし、だからといって油断をしていると失敗してしまいます。自分の力で鍵を交換する際に、気を付けることは交換する鍵のメーカーや型番を何度も確認して、ドアの寸法に合っているものを購入することです。また、作業中にネジなどの細かい部品をなくさないようにして、無理な取り外しや取り付けはおこなわないことです。家の鍵というのは自分や家族の暮らしを安全に守るものなので、少しでも難しいと思ったり、出来ないと思ったりしたら鍵の専門業者に依頼しましょう。